特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅱ.胃癌治療のプロトコール
群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科
桑野 博行
1
,
持木 彫人
1
,
藍原 龍介
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科
pp.53-58
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100206
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はじめに
近年の胃癌に対する診断技術の向上に伴い,早期胃癌の頻度は胃癌の約半数を占めるに至っている.これら早期胃癌に対して,従来の画一的な胃切除に代わり,EMRや腹腔鏡下手術などの縮小手術が盛んに行われている.また,根治切除不可能な進行胃癌治療に対してirinotecan(CPT-11),S-1,taxolなどの新規抗癌剤が開発され,従来と比較し高い奏効率が示されている.
このように,手術手技の進歩や医療機器,新薬の開発に伴い,胃癌症例に対する治療法の選択肢は多様化している.ときを同じくして,胃癌学会から「胃癌治療ガイドライン」1)が出版され,進行度別治療法の適応が明確化されてきた.われわれは,胃癌治療にあたり,これら標準的治療法の適応を熟知したうえで,癌の進行度,癌の悪性度,治療の侵襲,患者背景などを十分に考慮し,個々の症例に応じた治療選択(テーラーメイド治療)を行うべきと考える.
本稿では,当科で行っている診断,治療の一連の流れについて進行度別に述べた.
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