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特集 炎症性腸疾患―治療における最近の進歩
クローン病の内科的治療―抗TNF-α抗体の使用法と問題点
Clinical application and problems of anti-TNF-αantibody for Crohn's disease
矢田 親一朗
1
,
松本 主之
1
,
飯田 三雄
1
Shinichiro Yada
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野
キーワード:
クローン病
,
治療
,
抗TNF-α抗体
,
infliximab
Keyword:
クローン病
,
治療
,
抗TNF-α抗体
,
infliximab
pp.877-882
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100135
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要旨:クローン病の病態には消化管粘膜における免疫異常が関与し,なかでもTNF-αを介した炎症性サイトカインの発現が重要な役割を担っている.近年,TNF-αをターゲットとした治療薬が開発され,クローン病にも応用されている.キメラ型抗TNF-α抗体infliximabは欧米において有効性が確認され,わが国でもクローン病に対する投与が行われている.しかし,栄養療法を中心とするわが国のクローン病の治療指針における本剤の位置づけはいまだ確立されていない.一方,ヒト型抗TNF-α抗体CDP571や完全ヒト型抗TNF-α抗体adalimumab,あるいはPEG化フラグメント抗体CDP870のクローン病に対する効果はinfliximabを凌駕するものではない.わが国では,今後TNF-α抗体療法の維持療法としての位置づけを検証する必要がある.
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