Japanese
English
特集 AIDSに随伴する神経疾患
HIV−1感染による神経障害の臨床
Neurological Manifestations Associated with HIV-1 Infection
岸田 修二
1
Shuji Kishida
1
1東京都立駒込病院神経内科
1Department of Neurology, Tokyo Metropolitan Komagome Hospital
キーワード:
HIV−1
,
neurological manifestations
,
diagnosis
,
treatment
Keyword:
HIV−1
,
neurological manifestations
,
diagnosis
,
treatment
pp.25-37
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902076
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はじめに
AIDSにおける神経障害は,臨床的には成人で31〜65%,小児で50〜90%,剖検では80〜90%と高率に認められ,しかもAIDS患者の約10%は神経症状で発症する40)。神経障害は主にAIDSの時期にみられるが,HIV−1感染早期から,中枢神経系から末梢神経系に至るまで広範,多彩な神経障害が認められる。Table 1にAIDSに合併する主要な神経障害の頻度を示す。
HIV−1感染者の鑑別診断にはHIV−1の感染病期,即ち免疫状態を考慮する。免疫状態の保たれている間は血清反応陽転時期を除いてHIV−1に無関係な神経症状がみられ,免疫状態の低下に伴いHIV−1の直接関与した病態と日和見感染に基づく神経症状,悪性腫瘍などが混在して認められるようになる。AIDSの状態では複数の神経疾患が同時にあるいは連続的に認められることにも注意が必要である。
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