Japanese
English
総説
脳神経外科医として知っておきたい絞扼性末梢神経障害—診断から治療まで
Peripheral Nerve Entrapment Neuropathy for Neurosurgeon
金 景成
1
,
井須 豊彦
2
Kyongsong KIM
1
,
Toyohiko ISU
2
1日本医科大学千葉北総病院脳神経センター
2釧路労災病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Chiba Hokuso Hospital, Nippon Medical School
2Department of Neurosurgery, Kushiro Rosai Hospital
キーワード:
entrapment neuropathy
,
peripheral nerve
,
neurolysis
,
diagnosis
,
treatment
Keyword:
entrapment neuropathy
,
peripheral nerve
,
neurolysis
,
diagnosis
,
treatment
pp.387-397
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203035
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Ⅰ.はじめに
脳神経外科は,脳および脊髄,末梢神経疾患を治療対象としている科である.しかし,脳以外への関心が少ない医師が少なくなく,特に末梢神経疾患は日常臨床で最も遭遇する機会が多く,有病率が高いものの,脳神経外科医が一般的に治療しているとは言い難い.末梢神経障害は画像による診断が難しいと思われていることが近寄りがたい1つの原因ともなっているが,特徴的な症状を知ることで疑い病名を考えることはそれほど難しいことではない10,11,53,54)
一方,加齢に伴い増加する末梢神経疾患が,脳疾患や脊椎疾患に併発することも稀ではない11,17,22,23,34,40).脊椎疾患に併発した末梢神経疾患に気づかず治療成績が落ちてしまったり,脳血管障害慢性期に末梢神経障害を併発することでQOLへ大きく影響していることもあり,積極的に末梢神経疾患へかかわらずとも,脳神経外科医として最低限の知識をもつことは,大切なことである10,11,17,22,23,34,40).
本稿では,脳神経外科医として身につけてほしい末梢神経障害を起こす代表的な疾患について解説する.
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