Japanese
English
総説 頸部頭蓋内動脈解離の診断と治療
タウ変異を伴うFrontotemporal dementia and parkisonism linked to chromosome 17の言語症状を主体とした臨床症状の検討
Clinical Symptoms and Speech Disturbance in Frontotemporal Dementia and Parkisonism Linked to Chromosome 17 with Tau Mutation
和田 千鶴
1
,
豊島 至
1
Chizu Wada
1
,
Itaru Toyoshima
1
1秋田大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Akita University School of Medicine
キーワード:
FTLD
,
FTDP−17
,
parkinsonism
,
semantic dementia
Keyword:
FTLD
,
FTDP−17
,
parkinsonism
,
semantic dementia
pp.221-233
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901915
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はじめに
進行性失語を示す神経変性疾患の一群がある。その病理学的背景が次第に明らかになり,多くの症例は,非アルツハイマー型,非レビー小体型痴呆の中に位置づけられるようになった。また,非アルツハイマー型,非レビー小体型痴呆の中にタウタンパクの変異による症例があることが明らかとなった。タウタンパク変異による症例の臨床症状,とくにその言語症状がどのようであるのかを検討することが本稿の目的である。
非アルツハイマー型痴呆性疾患の中から,1994年ManchesterグループとLundグループが共同で前頭側頭型痴呆(Frontotemporal dementia:FTD)という疾患概念をまとめた46)。これは,前頭葉と側頭葉の葉性萎縮を示す痴呆性変性疾患からなるもので,病理学的に前頭葉変性型,Pick型,運動ニューロン型に分類できるものとした。さらに,1996年には進行性失語を主症状とする症例を加え,これら全体を前頭側頭葉型変性症(Frontotemporal lobar degeneration:FTLD)と命名した30)。
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