Japanese
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総説 頸部頭蓋内動脈解離の診断と治療
2.内科から:本邦における椎骨脳底動脈解離の特徴とその診断・治療の現状と問題点
Clinical Features and Current Status of Diagnosis and Management of Vertebrobasilar Artery Dissections in Japan
高木 誠
1
Makoto Takagi
1
1東京都済生会中央病院神経内科
1Department of Neurology, Tokyo Saiseikai Central Hospital
キーワード:
arterial dissection
,
dissecting aneurysm
,
vertebrobasilar artery
,
Wallenberg syndrome
,
subarachnoid hemorrhage
Keyword:
arterial dissection
,
dissecting aneurysm
,
vertebrobasilar artery
,
Wallenberg syndrome
,
subarachnoid hemorrhage
pp.203-211
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901913
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はじめに
脳動脈解離は脳を灌流する動脈に生じる解離で,解離の原因,部位,症候によって,表1のように分類できる。欧米と本邦の脳動脈解離では解離の部位に大きな違いがあることが知られており,欧米では頭蓋外頸動脈系解離が多いのに対し,本邦では頭蓋内椎骨脳底動脈系解離が多いことが特徴である37)。したがって,脳動脈解離については最近も欧米から優れた総説がいくつか発表されているが17,24,25),その内容はわが国の診療の実情にそぐわない点も少なくない。
そこで本稿では,最近筆者らが若年脳卒中に関する厚生労働省循環器病委託研究班(主任研究者:国立循環器病センター 峰松一夫部長)による研究の一環として行った文献調査(以下本調査)の結果をもとにして,本邦例の椎骨脳底動脈解離の臨床的特徴,ならびにその診断と治療の現状と問題点について考察する。なお本調査は「解離」,「動脈解離」,「解離性動脈瘤」および「椎骨動脈」,「椎骨脳底動脈」をキーワードにMed—line,医学中央雑誌にて,1999年末までに発表された本邦症例の文献検索を行ったもので,177論文,283症例が収集された。
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