Japanese
English
特集 視神経脊髄型MS(視神経脊髄型多発性硬化症)
視神経脊髄型MSの神経病理
Neuropathology of Optic-spinal form Multiple Sclerosis
朴 月善
1
,
高橋 均
1
Yue-Shan Piao
1
,
Hitoshi Takahashi
1
1新潟大学脳研究所病態神経科学部門病理学分野
1Department of Pathology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
multiple sclerosis
,
optic-spinal form MS
,
neuromyelitis optica(Devic type)
,
demyelination
,
axonal damage
Keyword:
multiple sclerosis
,
optic-spinal form MS
,
neuromyelitis optica(Devic type)
,
demyelination
,
axonal damage
pp.927-933
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901844
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はじめに
多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は中枢神経系脱髄疾患の中で最も頻度の高いものであり,その臨床および病理学的特徴を独立した疾患単位として初めてまとめあげたのはCharcot(1868)である。本症では,オリゴデンドログリアによって形成されている中枢性ミエリンの崩壊,消失(脱髄,demyelination)が解剖学を無視した形で脳,脊髄,さらには視神経などに多巣性,散在性に生じ,臨床的には,それらの脱髄病巣(脱髄斑,demyelinating plaque)に起因する多種多様な神経症状が寛解と再発(remission and exacerbation)を繰り返す(時間的・空間的多発性,multiplicity intime and space)。剖検脳の検索では,大小,新旧の脱髄病巣は一般に周囲の正常部から明瞭に区別され,ときに複数が癒合した形を呈して認められることがある。本症の病型については臨床経過や予後,あるいは病巣の分布という観点からいくつかに分類されている。
さて,われわれに課せられたテーマは「視神経脊髄型MSの神経病理」であるが,本稿では,これまでわれわれが経験してきたMS剖検例のうちその病巣の分布から視神経脊髄型と見なせる症例を選び,その臨床病理を呈示,検討することでその任を果たすこととしたい。
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