Japanese
English
総説
中枢神経系のグルタミン酸受容体
Glutamate Receptors in the Central Nervous System
小澤 瀞司
1
Seiji Ozawa
1
1群馬大学医学部第二生理学教室
1Department of Physiology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
ionotropic receptor
,
AMPA
,
kainate
,
NMDA
,
metabotropic receptor
Keyword:
ionotropic receptor
,
AMPA
,
kainate
,
NMDA
,
metabotropic receptor
pp.605-615
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901794
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はじめに
グルタミン酸受容体は,中枢神経系のほとんどすべてのニューロンにおいて,興奮性シナプス伝達を担っている。同時に,この受容体は記憶・学習の基礎過程にあるシナプス伝達の可塑性変化,急性および慢性神経疾患に伴うニューロン死にも深く関わっている。グルタミン酸受容体は,イオンチャネル型受容体(ionotropic glutamate receptor;iGluR)と代謝調節型受容体(metabotropic glutamate receptor;mGluR)の2種類に大別される14,36,41)。iGluRは,アゴニストと結合する受容体の部分とチャネルを形成する部分とからなる複合体であり,受容体チャネルとも呼ばれ,さらに,α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropi-onic acid(AMPA)型,カイニン酸型,N-methyl-D-as-partic acid(NMDA)型の3つのサブタイプに分けられる14,34,36,47)。また,mGluRでは,アゴニストが受容体に結合すると,GTP結合タンパク質(Gタンパク質)を介して,細胞内伝達物質の産生を制御する。mGluRには,8種類のサブタイプが存在する37,43)。
本稿では,中枢神経系の多種類のグルタミン酸受容体の分子構造,機能,病態生理学的意義について概説する。
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