Japanese
English
特集 味覚のメカニズムに迫る
うま味感覚におけるグルタミン酸受容体
Glutamate receptors in Umami sensations
豊野 孝
1
,
瀬田 祐司
1
,
片岡 真司
1
,
豊島 邦昭
1
Takashi Toyono
1
,
Yuji Seta
1
,
Shinji Kataoka
1
,
Kuniaki Toyoshima
1
1九州歯科大学健康促進学専攻生命科学講座口腔組織機能解析学分野
pp.90-93
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100367
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うま味を示す物質には,アミノ酸系および核酸系のうま味物質がある。池田菊苗博士によって,アミノ酸系うま味物質であるグルタミン酸が昆布だしから初めて抽出された。核酸系うま味物質には椎茸のだしに含まれるグアニル酸や,鰹節のだしに含まれるイノシン酸などがある1)。これらのうま味物質は,単独では弱いうま味しか惹起しない。しかしグルタミン酸にイノシン酸,またはグアニル酸を混合した場合,強いうま味が引き起こされる(相乗効果)。これらのうま味物質は,苦味や甘味と同様に,味毛上のG蛋白質共役型受容体(GPCR)に結合することにより引き起こされると考えられている。現在までにうま味,特にグルタミン酸の受容体として,代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)の一種であるtaste-mGluR4などや,T1R1およびT1R3のヘテロダイマー受容体がクローニングされ解析が行われている。今回はこれらの受容体の特性および細胞内シグナル伝達系に関して解説する。
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