Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
急性水頭症を呈した急性小脳炎の1例
Acute Cerebellitis Presenting as Acute Hydrocephalus:Case report
中島 英樹
1
,
小宮山 雅樹
1
,
山中 一浩
1
,
安井 敏裕
1
,
徳元 一樹
2
1大阪市立総合医療センター脳神経外科
2大阪市立総合医療センター神経内科
pp.186-187
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901730
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症例 23歳,右利き女性
平成11年9月上旬,発熱を伴った感冒症状があり,9月12日頃から歩行時のふらつきおよび回転性めまいを自覚するようになった。症状は徐々に増悪し,9月18日には嘔吐とともに急激な意識障害が出現し,当院入院となった。入院時の意識はJCS 100であり,CTで両側小脳半球の著明な腫脹と閉塞性水頭症が認められた。急性水頭症に対して直ちに脳室腹腔短絡術を行った。術後,意識状態は改善したが,体幹運動失調および両側肢節運動失調は持続した。術中採取した髄液に異常所見は認められなかった。MRIのT2強調画像で,両側の小脳半球および虫部がびまん性に皮質優位に高信号を呈し,上行性テント切痕ヘルニアおよび小脳扁桃ヘルニアも認められた(図1)。臨床経過および画像所見から,急性水頭症を呈した急性小脳炎と診断した。5日間のステロイド投与を行い,小脳症状は徐々に軽快し,画像上も小脳の腫脹は軽減した(図2)。髄液ウイルス抗体価の上昇は認められなかった。
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