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特集 アルツハイマー病の発症要因
4.アルミニウムなど金属イオンとアルツハイマー病
Aluminum as a Risk Factor of Alzheimer's Disease
黒田 洋一郎
1
,
川原 正博
1
Yoichiro Kuroda
1
,
Masahiro Kawahara
1
1東京都医学研究機構 東京都神経科学総合研究所 分子神経生物学研究部門
1Department of Molecular & Cellular Neurobiology, Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience, Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research
キーワード:
aluminum
,
aging
,
risk factor
,
β amyloid
,
metal ions
Keyword:
aluminum
,
aging
,
risk factor
,
β amyloid
,
metal ions
pp.222-229
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901569
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1.アルツハイマー病(AD)の発症要因と危険因子
アルツハイマー病(AD)は脳の老化過程がからんだ典型的な多因子性の複雑な疾患で,その発症要因は強弱あわせて複数あることが予想される。現在までのADの原因および発症機序の基礎研究の論文は,どういうわけか,ADを過去に単一原因で説明できた解明しやすい疾患群と同列に考え,一つの(ほとんどが著者が現在研究費をもらっている)要因で起こる,あるいは説明できる,といった調子で書かれている。
一般に,遺伝的背景よりも環境要因の強い疾患の発症要因の究明,ことにどの要因がどの程度発症に関与しているかを知るには,よく計画された疫学調査をするしかない。すなわち,疫学調査による危険因子の同定と相対危険率の推定がとりわけ重要である。
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