増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
32.アルミニウム骨症
井上 聖士
1
1兵庫医科大学・人工透析部
pp.2185
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222051
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■疾患概念と疫学
1976年Alfrey1)らが見当識障害,痴呆などを呈した透析患者の脳組織にアルミニウム(Al)が高濃度に含まれていることを発見,透析脳症の原因を脳のAl中毒と報告した.その後,これらの患者に高頻度に治療抵抗性の骨軟化症の合併がみられ,これもAlによる骨化障害によることが解明されAl骨症と呼ばれるようになった.
わが国でも,とくに水道水中のAl含有量の多い地方(200ppb以上)や,高リン血症治療に用いるアルミゲルを多量に服用した透析患者でAl骨症の発生が散見されたが,Al骨症の概念が広く知れわたり,予防策が講じられてからは,重症なAl骨症の発生は著減している.
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