連載 症候学メモ余滴・23
ソムリエの変質—食卓の味から酒蔵の知識へ
平山 惠造
1
1千葉大学
pp.1037
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901200
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これは日本の話である。
過日,東京のあるホテルで二十数名の夕食会があった。フランス料理である。始まるに当ってホテルの宴会主任が「当ホテルには女性ソムリエがおり,今日のワインを御説明します。」ということで,その日はドイツワインであったが,ヨーゼルがどうの,ぶどうを摘む時期がどうであったの,このワインは何年のもので,その年は……,という具合にマイクを通しての説明があった。肉料理の前に,もう一度赤ワインの解説もあった。ワイン自体はやや甘味のある結構なものであったが,さて料理との組合わせとなるとどうであったか。
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