Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
同側上肢に振戦を認めた中脳梗塞の一例
A Case of Midbrain Infarction with Ipsilateral Hand Tremor
今井 昇
1
,
原 敦子
1
,
宮田 嘉世子
1
,
寺山 靖夫
1
,
石原 直毅
1
1清水市立病院神経内科
pp.1033
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901198
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症例 52歳男性,会社員。
平成7年3月頃より書字や上肢の挙上時に右手のふるえが出現したため,同月某院神経内科を受診。右上肢の振戦の他は特記すべき異常は指摘されず,頭部CT上異常なく,本態性振戦と診断された。β遮断薬の投与を受け振戦は改善したが休薬により振戦が再び出現したため,同年9月26日当院を受診した。神経学的には,挙上時および書字の際に右手関節より末梢に3〜4Hzの振戦を認めた。安静時には振戦はなく,他の四肢には不随意運動は認めず,他に異常所見はなかった。同年10月12日の頭部MRIでは,T2強調画像で右中脳に高信号域を認めたが,その他には異常所見はなかった。11月9日のMRIでは前回認めた中脳病変は,T1強調画像で低信号をT2強調画像で高信号を示し,造影効果は認められなかったことより陳旧性脳梗塞と診断した。振戦はβ遮断薬の再投与で軽快し,平成8年3月にはほぼ消失した。同年3月14日のMRI(図)では中脳病変には変化はなかった。
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