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塩酸セレギリン(セレギリン)の長期(1年間)投与試験成績について報告する。対象は,II相オープン試験において本薬による症候上の改善がみられその有用性が確認された患者12例,および本薬による症候上の改善はなかったが,疾患進行遅延に対する期待から本薬の継続服用を強く希望した患者1例である。全例L-DOPA/DCIとの併用例であった。セレギリンの最終1日用量は7.0±2.8mgであった。12カ月試験継続例におけるL-DOPAの1日用量は本薬開始前450±138mgに対し383±98mgで,期間を通じて減量が得られた。個々の症状別改善については評価項目のほとんどで初期の改善状態が維持されたが,wearing-off現象の程度およびoff時重症度の改善維持が注目された。全般改善度(中等度改善以上)は6カ月時60.0%,12カ月/中止時50.0%で,経過中に改善率の低下傾向をみた。副作用は1例の精神症状を除いて問題となるものはなかった。本薬はパーキンソン病の一長期治療薬として有用と考えられた。
なお,本論文は第46巻5号(1994年5月発行p465-471)に掲載された同一タイトルの論文の修正論文である。先の論文には併用禁止薬併用症例が含まれていたため,現在の臨床試験の基準に照らしてそれらの症例を除外して再集計を行ったものです。
A long-term follow-up evaluation on the clinical usefulness of selegiline hydrochloride (selegiline) was performed in 13 patients with Parkinson's dis-ease. All patients, except one case, subjected to the study were symptomatically improved by combina-tion therapy of selegiline with L-DOPA in the pre-ceding short-term evaluation. One patient conti-nued the therapy after an evaluation of no symp-tomatic improvement in the short-term study, be-cause this patient strongly requested continuation of medication, expecting to stop the progression of the disease.
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