Japanese
English
特集 運動障害(Movement Disorders)の定義・病態・症候
ジストニアの概念と病態
Concepts and Pathophysiology of Dystonia
柳澤 信夫
1
Nobuo Yanagisawa
1
1信州大学医学部第三内科
1Department of Medicine (Neurology) Shinshu University School of Medicine
キーワード:
dystonia
,
dystonia musculorum deformans
,
action dystonia
,
occupational-cramp
,
spasm
Keyword:
dystonia
,
dystonia musculorum deformans
,
action dystonia
,
occupational-cramp
,
spasm
pp.217-227
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900915
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I.定義と歴史的経過
ジストニア(dystonia, Dystonie)の概念には現在もなお混乱がある。言語学的な意味から"筋緊張(tone,tonus)の異常(dysという接頭語)"として筋緊張亢進から低下まで含まれる広い概念ととらえる立場1),Oppenheimがdystonia musculorum deformansを疾患単位として提唱したときにはじめてDystonieという言葉を用いるのに際して行った定義2),運動障害の臨床生理に大きな貢献をしたDenny-Brown3)が症候の一般的な概念として提唱した定義,アテトーゼやミオクローヌスの一部を含む広い概念としてとらえるMarsdenやFahnら4)の近年の考えとそれに対する反論5),などの中で神経の専門家といえども惑わざるを得ない。このようなdystoniaの概念の歴史的変遷については別に述べてありそれを参照していただきたい6,7)。
世界神経学連合(WFN)の錐体外路疾患研究委員会のad hoc committeeが1981年にまとめた"錐体外路性障害の国際分類と用語集の提案"8)におけるdystoniaの概念規定も,提案から10年を経た現在ほとんどかえりみられないという状況にある。
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