Japanese
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特集 脳深部刺激療法
3.ジストニア
Deep Brain Stimulation for Dystonias
後藤 惠
1
Satoshi Goto
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部先端生命医療科学部門脳神経科学講座脳神経外科学分野
1Department of Neurosurgery, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto University
キーワード:
dystonia
,
deep brain stimulation
,
stereotaxy
,
basal ganglia
Keyword:
dystonia
,
deep brain stimulation
,
stereotaxy
,
basal ganglia
pp.843-853
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100346
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はじめに
ジストニア(dystonia)は,持続的な筋緊張から捻転性また反復性の運動(ジストニア運動)や異常な姿勢(ジストニア姿勢)をきたす病態と定義され18),症候学的には動作特異性(task-specificity),常同性(stereotypy),感覚トリック(sensory trick)などで特徴づけられる20, 21)。ジストニアはその罹患筋の分布や原因によって様々なサブタイプに分類され18),多様性のある症候群として捉える必要がある。特発性(本態性)ジストニアの有病率は概ね人口10万人対10人と推定されているが33),2次性ジストニアなどを併せるとその患者数は多い20)。薬物治療が試みられるが抵抗性のものが多く,ジストニアの治療体系は未だ確立されていない。数年前から日本でもA型ボツリヌス毒素の使用が認められ普及しているが20),その適用範囲はMeige症候群や痙性斜頸などの頭頸部領域のジストニアに限定されている。これらのことを背景に,全身性ジストニアなどの広範な症状分布を示す症例の治療オプションとして登場したのが淡蒼球手術である。本稿では淡蒼球内節(globus pallidus internus:GPi)の脳深部刺激術(deep brain stimulation:DBS)を中心に,ジストニアに対する定位脳手術の現況を紹介する。
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