Japanese
English
特集 脳疾患に対する定位的放射線治療の進歩
転移性脳腫瘍に対するstereotactic radiosurgery
Stereotactic Radiosurgery for the Treatment of Brain Metastases
日山 博文
1
,
荒井 孝司
1
,
井沢 正博
1
,
高倉 公朋
1
Hirofumi Hiyama
1
,
Koji Arai
1
,
Masahiro Izawa
1
,
Kintomo Takakura
1
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Women's Medical College Neurological Institute
キーワード:
brain metastases
,
radiosurgery
Keyword:
brain metastases
,
radiosurgery
pp.113-119
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900901
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I.はじめに
日本は現在平均寿命の延長とともに急速に高齢化社会に突入しつつある。これは脳神経外科領域でも経験されることであり,癌年齢人口の増加,癌治療の進歩に伴う癌患者の長期生存,さらに画像の進歩による原発癌や転移巣の発見率の向上に伴い,転移性脳腫瘍の発生頻度も増加している。脳腫瘍全国集計調査報告によれば脳腫瘍に占める転移性脳腫瘍の発生頻度の比は13.3%(1969-1983)から16.7%(1984-1987)となっている19)。しかしこれは脳神経外科施設で治療されている症例数であり,癌死亡例の剖検では30-50%に脳転移が確認されていること11,22),手術は年齢,多臓器への転移,全身状態から適応が限られることを考えると,治療可能症例の背景には極めて多くの脳転移症例が他科で治療されずに,あるいは手術以外の治療を受けていると思われる。
周囲の正常脳組織の照射を低線量に抑えながら目的とする病変に高線量を照射できるradiosurgery(RS)は転移性脳腫瘍の有効な治療法として近年注目されている。
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