脳動静脈奇形に対するradiosurgeryの現況

Radiosurgery of Cerebral Arteriovenous Malformations:An Update

I．はじめに

　Radiosurgeryは一部の脳動静脈奇形（AVM）に対する治療法の1つとして定着しつつある。わが国においてもgamma knifeが1990年に東京大学に導入されて以来急速に施設は増加し，1995年11月現在でその稼働台数は14台，治療されたAVMは1800例を越える。Gamma knife以外でも，linear acceleratorや粒子線による治療が行われている。AVMに対するradiosurgeryの治療成績としては，1994年までの報告（gamma knife^{2,8,10,33,49,53,61,64〜66,91〜93,96,99〜101,107）}，linear accelerator^{1,3〜5,12〜17,22,34〜38,39,40,50,68,71,74,75,80,83,84，103,104}，粒子線^{24〜29,46,51,59,60,81,88〜90）}）より適応，合併症などについての一般論的定説は確立されたと思われるが，その後の線量計画の改善，詳細な因子分析，画像の進歩などにより，若干の変更ないし再検討を必要とする点も少なくない。本稿では現時点で得られた報告をもとに，一応の定説とこれについての問題点，および今後の展望につき述べてみたい。