Japanese
English
総説
頸椎椎間板ヘルニアの治療方針—外科的治療と内科的治療
Cervical Disc Disease : Pathophysiology and Treatment
橘 滋国
1
Shigekuni Tachibana
1
1北里大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, School of Medicine Kitasato University
キーワード:
cervical spondylosis
,
cervical disc disease
,
myelopathy
,
treatment
Keyword:
cervical spondylosis
,
cervical disc disease
,
myelopathy
,
treatment
pp.206-212
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900451
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はじめに
頸椎椎間板ヘルニアは圧迫性脊髄病変のうち,最も頻度の高いものである。しかし,この診断名には多少の混乱が存在する。本疾患は,Stookey44),Elsberg14)により最初の手術が行われたが,cervicalchondromaとして報告し腫瘍性病変との異同が議論された。1934年Peetら37)がintervertebral disc prot—rusionであるとした。1951年Frykholm17)はnuclearherniationとannular protrusionに区別し,脱出方向と,脊髄圧迫,根圧迫の関係について分析した。1952年にはBrainら8)は脊髄圧迫について分析を行い,脊髄圧迫例には単純なnucleus pulposusのher—nia例はなく,変性した椎間板のprotrusionとこれに随伴する骨の反応性肥厚が脊髄圧迫機転となると報告し,Cervical spondylosisの本質は椎間板変性にあるとしている。このため,椎間板ヘルニアという診断名に多少の混乱をきたした。
画像診断の進歩した今日では,画像診断からこれらの圧迫因子をnuclear herniation, annular protru*—sion,さらに骨棘形成を伴うspondylotic changeに分類することは困難ではない。一般には頸椎椎間板ヘルニアは,前二者を示すことが多い。しかし,実際の症例では,単純なnuclear herniationのみの症例はむしろ少なく,これらが混在し脊髄障害をきたしていることがほとんどである。
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