Japanese
English
総説
反射の電気生理
Electrophysiology of Reflexes
濱野 利明
1
,
木村 淳
1
Toshiaki Hamano
1
,
Jun Kimura
1
1京都大学医学部神経内科
1Department of Neurology, University of Kyoto School of Medicine
キーワード:
blink reflex
,
masseter reflex
,
H-reflex
,
T-reflex
Keyword:
blink reflex
,
masseter reflex
,
H-reflex
,
T-reflex
pp.411-420
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900330
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I.はじめに
神経内科疾患の診断において反射(reflex)は非常に重要な位置を占める。一口に反射と言ってもその種類は様々で,角膜反射,咽頭反射,腹壁反射などの表在反射や上腕二頭筋反射,膝蓋腱反射,アキレス腱反射などの深部反射は正常な状態で見られる反射である。これに対してBabinski反射,把握反射,吸引反射などの病的反射は正常では見られず何らかの病的状態で出現する。このような反射を電気生理学的な手法を用いて数量的に表現することは異常の客観的な評価や,経時的な分析をするうえで非常に有用であると考えられる。現在電気生理学的なアプローチがなされている反射として,脳幹に反射中枢をもつ眼輪筋反射(Blink reflex),咬筋反射(Masseter reflex),脊髄に反射中枢のあるH波(H-reflex),T波(T-reflex)などがある。本稿ではこれらの反射を中心にその原理,実際の測定手技,臨床応用などについて実例を示しながら述べる。
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