Japanese
English
総説
多発性硬化症の病態並びに活動性評価のための指標
Some Markers Reflecting the Pathology and Disease Activity of Multiple Sclerosis
松本 博之
1
Hiroyuki Matsumoto
1
1札幌医科大学リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation and Neurology, Sapporo Medical College
キーワード:
multiple sclerosis
,
immunology
,
CSF
,
MRI
,
evoked potentials
Keyword:
multiple sclerosis
,
immunology
,
CSF
,
MRI
,
evoked potentials
pp.95-102
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900291
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I.はじめに
多発性硬化症(MS)の発症にはウイルスのような何らかの外因が関与して免疫機構が破綻を起こし,その結果,中枢神経内で自己免疫機構が作動しだし,潜伏期を経て脱髄病変が成立することが想定されている。今日,その機序には主として末梢血および脳脊髄液のリンパ球,ことにT細胞の免疫調節機能異常の役割が重視されている。
本症の臨床的特徴は症状が空間的および時間的に多発し,再発と寛解を繰り返えしつつ進行することであり,再発と寛解の程度や間隔がさまざまであっても再発と寛解を示す症例が大多数である。個々の症例の臨床経過予知の可能性という観点に立てば,MSが再発したり,慢性進行性である活動期と,症状が安定している非活動期の病態を把握することは重要である。本稿では特に再発—寛解型と慢性進行性型に注目し,その臨床的活動性を反映する指標を検索しつつ最近の進歩をまとめてみた。
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