書評
—Patton HD・他著—TEXTBOOK OF PHYSIOLOGY, 21st ed.
熊田 衛
1
1東京大学医学部第2生理学講座
pp.1064
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206417
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1896年の初版以来長い歴史を持ち,英語で書かれた代表的な教科書の一つである「フルトンの生理学教科書」の第21版が,装いも新たに刊行された。思い起こすと,1965年に出版された第19版は特に魅力的で,神経系が優れていた旧版に高名な循環生理学者のRushmerなどが執筆者に加わり,情報科学や医工学の視点などを導入した新鮮な生理学を示してくれた.
ところが1973年に,第20版が3分冊として出版されて以来,15年以上も書き換えられることがなく,米国の大学書籍部にウズ高く積まれている光景を見かけなくなって久しい。そんな時に,編者と執筆者を補強し,新しい内容を盛り込み,動物性機能(興奮性細胞および神経系)と植物性機能をそれぞれ1巻にまとめた第21版が刊行された。以下,おもに評者の専門である植物性機能の部分(Vol.2)に注目して感想を述べる。
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