研究室より
Physiologyを盛んにするための2,3の提案
関根 隆光
1
1順天堂大学医学部生化学教室
pp.190-191
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905959
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筆者は曽て学生時代に小川鼎三先生から組織実習の御指導を受け,一寸した質問が契機となつて脳研で脳組織の標本をみせて頂いてから,脳神経に興味をもつようになつた。一時は神経科にお世話になつたが,生化学の技術を習いに生化学教室に出かけたか病みつきとなつて現在に至つている。当時神経科でお世話になつた方々には大変申訳けなく思つているが,しかじそれだけに興味の中心はいわゆる"興奮組織"を離れない。
この数年来,カエルの縫工筋を用いて収縮と代謝の問題を調べているが,実に難かしい。テーマの関係から生理や薬理などのいわゆる"生理科学"の基礎知識がないために,思わぬ失敗をしたり,生化学の中で孤独を味わつたり,道は平坦ではない。勿論将来の大さな困難も予想される。
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