連載 症候学メモ・56
Jacksonてんかんと部分てんかん
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.1011
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206407
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◆Jacksonてんかん,すなわちJacksonian marchを呈する痙攣発作と,部分てんかん,すなわち身体の一部に限局する痙攣発作とが,異なることはよく知られている。それにも拘わらず実際のベットサイドでは,意外に両者をはっきり区別せずに,混用していることがある。
◆19歳の男性が,Jacksonてんかんの触れ込みで,入院して来た。よく聞くと,一側の上腕が外側に挙上する痙攣性の運動発作が,すでに何回か起っているという。痙攣はここにのみ限局しており,隣接部へと広がって行くことはない,という。その中の2回ほどは,その状態が続いているうちに,意識を失ってしまつた。
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