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創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第2部
精神疾患研究とJ. Hughlings Jackson
Studies on Mental Disorders and J. Hughlings Jackson
秋元 波留夫
1
Haruo Akimoto
1
1都立松沢病院
1Consultant, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
pp.368-380
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204495
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I.はじめに
私がJohn Hughlings Jackson(1835-1911)の思想に接したのは随分昔のことである。札幌の北海道大学精神医学教室で失行症の研究2)に夢中になっていた頃,文献で彼の仕事に興味をもち,丸善からとりよせて読んだのがその数年前に出版されたばかりのSittig, O. の独訳「神経系の進化と解体」“Aufbau und Abbau des Nervensystems”(1927)25)である。原文との対訳になっているので,難解といわれるJacksonの文章をさほど困難がなく理解できた。この理論が私の失行についての思索を進めるのにどれほど役に立ったかはかりしれないものがある。
Jacksonの研究は神経学の広い範囲に及んでいるが3,5),その中心はてんかんであり,失語研究もそれから発展したものである。しかし,神経学者である彼の最大の関心は神経系進化の最高峯である精神の問題であり,狂気とは何かを解明することにあった。
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