連載 症候学メモ・34
宇滴(2)—文献検索のコツ
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.1060
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206007
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◆若い人達に文献を検索する要領をきいてみると,先輩からあまりよく指導を受けていないらしい。Handbookや単行書にまとまって収載されている引用文献の中から,自分の目的にかなったそれらしきものを孫引いたり,図書館の医学情報検索サービスで最近10年間の文献を打出して,その中から目ぼしいものをピックアップしたりしているらしい。無論それから更にイモズル式に文献を増やす方法がある。
◆しかし,handbookや単行書にまとめられたものは,その著者の目的に沿った論文は引用されているが,自分の知りたい特殊な目的のものや,例外的なことまで収載されてはいない。それは雑誌の論文の引用文献についても同様である。つまり,文献の孫引きは既にその著者の考えのフィルターを通って来ているので,本当に自分が知りたいものは濾過してしまっている可能性が強い。従って,originalな論文を書くための文献検索には,どうしてもそれなりの労作をしなくてはならない。
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