書評
—厚生省健康政策局医事課編—生命と倫理について考える 生命と倫理に関する懇談報告
阿部 正和
1
1東京慈恵会医科大学
pp.474
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205708
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厚生省の生命と倫理に関する懇談会において,日本の代表的な知識人が生命にかかわる諸問題について論議した内容の,生の報告書が本書である。原生省健康政策局医事課の編集で,題して「生命と倫理について考える」となっている。勿論,本書は各問題について結論を出しているものではなく,問題提起という形になっている。これらの問題を考える多くの人たちのよい参考資料になることは間違いない。
この懇談会は,昭和58年4月13日厚生大臣の勉強会として発足した。丁度その頃,生命に関する諸科学の発展に伴い,生命倫理を真剣に考えねばならないいくつかの具体的な問題が起きていたのである。東北大学医学部でわが国で初めての体外受精が行なわれたのもその頃である。
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