書評
—志賀 逸夫(慶応義塾大学助教授) 蜂屋 順一(杏林大学助教授)—X線診断へのアプローチ(1)頭部
竹内 一夫
1
1杏林大学
pp.955
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205588
- 有料閲覧
- 文献概要
本書は新しいスタイルの頭部単純X線写真のアトラスである。すでに類書は古くから種々出版されているが,本書はそれらと一味ちがった特徴をもっている。その理由は,このところ単純撮影の価値がとかく軽視されている状況下に,あえて診断の基本として再認識してほしいという著者らの意図が汲みとれるからである。
革命的とさえ言われるCTの導入以来,急速に進歩した種々の画像診断法に目をうばわれて,最近では単純撮影のように侵襲の少ない,簡便な診断法さえなおざりにされがちである。事実,単純撮影をとび越してCT診断を優先すべきと主張する論文も珍しくない。あたかも電化の波によって影のうすくなった蒸気機関車のごとく,単純写真はすでに時代おくれとする傾向がみられることも否めない。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.