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あとがき
中西 孝雄
pp.923
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205584
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37巻9号をおとどけします。本号では,特集として,"大脳誘発電位研究の現況"がとりあげられ,それぞれの領域におけるわが国の第一人者によって分り易く解説されております。
臨床神経生理学的検査法を開発する目的は,研究用と臨床川の2つに大別できますが,大脳誘発電位は,臨床応用上,重要な検査法であります。神経疾患を診断する場合には,高次機能はもちろんのこと,運動系,感覚系,反射系,自律神経系などの機能を客観的に把握しなければなりませんが,それらの機能の中,ベッドサイドでの診察で客観的に把握することが最も困難なのは,感覚系機能であります。すなわち,ベッドサイドで診察する場合,感覚系の機能は,被検者の応答—主観—によって判断せざるを得ないからであります。しかし,大脳誘発電位測定法が確立されれば,体性感覚(表在感覚,深部感覚),視覚,聴覚などの機能を客観的に把握することが容易となります。
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