書評
—Edited by Robert H. Wilkins & Setti S. Rengachary—Neurosurgery in 3 vols.
佐野 圭司
1,2
1東京大学
2帝京大学医学部
pp.487
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205514
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本書はもっとも新しい(1985年1月刊行)脳神経外科の教科書である。
編者のRobert H. WilkinsはDuke大学の教授で,米国の新進気鋭のneurosurgical leadersの一人であり,1980年にはCongress ofNeurological Surgeonsの会長もつとめた。雑誌や本を編集することにかけてはつとに定評があり,同学会の機関誌の"Neurosurgery"の初代の編集長であり,またわが国で広く読まれている脳血管攣縮のモノグラフ"Cerebral Arterial Spasm"の編集もしたことがある。共同編者のSetti S. RengacharyはKansas大学の教授であり,これも気鋭の学者である。各項目の執筆者として427名の多数の著者(1項に複数の著者もあり)が名をつらねているが,これは編者が各々の項目にもっとも適当な学者をということでえらんだからであろう。かように多数の執筆者の手になる本書が,一貫性をもって配列され,血の通ったひとつの教科書となっているのは編者のなみなみならぬ手腕をうかがわせる。臨床に研究に教育に多忙な編者がよくここまでやったと感歎させられるのである。各項日の巻頭に古い木版画がかかげられて目を楽しませてくれるが,これはNew York大学のEugene Flamm教授の努力による由である。
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