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特集 自律神経機能の新しい臨床検査法
循環器系自律神経機能の生化学的検査法—種々の負荷テストにおける血漿環状ヌクレオチドの動態を中心に
Biochemical Investigation of the Autonomic Function in the Cardiovascular System:with Special Reference to Changes in Plasma Cyclic Nucleotides during Various Autonomic Function Tests
岡田 文彦
1
Fumihiko Okada
1
1北海道大学保健管理センター
1Health Administration Center, Hokkaido University
pp.423-432
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205311
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I.はじめに
循環器系自律神経機能を的確にとらえうる生化学的指標を求めようとする場合,種々の方法的に制約される問題が指摘される。第1に自律神経系の機能が時々刻々移り変わってゆく,その動的な変動をとらえようとする際に,血液,尿,髄液,分泌腺液などの生化学的成分を,脳波や筋電図などの電気的現象のようには連続的にとらえることが困難であること,第2に自律神経系の機能変化が生体のある一部に限られる場合には,全身性に薄められてしまい,血液や尿の生化学的成分の生理的に意味のある変化としてはとらえがたいこと,第3に自律神経系の神経伝達物質がシナプスで次項に述べるような特異な動態を示すため,血液や尿の生化学的成分の生理的に意味のある変化としてはとらえがたいことなどであろう。
ところで,これまでにも循環器系自律神経機能を表現する生化学的指標として種々のホルモン8,13,14,59),や神経伝達物質8,lO,13,59),関連酵素活性27,28,30)などの動態が検討されてきたが,いずれも十分満足できる自律神経機能テストとして一般的に用いられるまでに至っていないようである。
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