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あとがき
大橋 博司
pp.843
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205178
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おくればせの梅雨時となり,今日は一日中降りつづいている。この七月にウィーンで世界精神医学会があり,その中のシンポジウムを一つ受けもっているので,何かと準備に忙しいこのごろである。ウィーン入りの前に2,3日ベルリンを訪問しないか,との招待が,てんかん学の大家ヤンツ教授からあったので気軽に引受けたところ,医家向けのVortragと学生向けのVorlesungを一つずつやって呉れとのこと,目下独作文に苦労している。
ベルリンとウィーンで合流するはずの私の教室の浜中助教授は6月中旬のリスボンでの欧州神経心理学会に出席のため一足先にポルトガルへと旅立った。—本誌に彼が連載していた「神経心理学史の型程標」,読者諸氏のお気にめしたであろうか?—浜中氏のパリからのハガキによると,神経心理学の第一人者アンリ・エカン氏をINSERMのポール・ブロカ・センター(Centre de PaulBroca)に訪問したところ(6月9日),その前1-1の6月8日に同氏は心不全のため急死されたとのこと,INSERMはまさに深い悲しみにつつまれていた由であった。
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