書評
—H. Hecaen, G. Lanteri-Laura 著,浜中 淑彦(京都大学講師)・大東 祥孝(京都第一赤十字病院) 訳—大脳局在論の成立と展開
山鳥 重
1
1兵庫県立姫路循環器病センター神経内科
pp.628-629
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205143
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- 文献概要
本書を読んでいると学問上の発見とか達成とかいうものが決して突然出現するのではないという大変平凡な事実がよく分かる。研究というものは時代から時代へ人から人へとつながっているのだなあというこれもまた実に平凡な感慨におそわれる。そして19世紀のヨーロッパ特にフランスの学問的熱気に圧倒される。
本書は大脳の機能の研究史であり,大脳という臓器が次々とその神秘性を剥ぎ取られ,その機能が明らかにされてゆく過程を紀元前3500年頃と推定されているパピルスに残された記述から書き起して,ほぼ現代まで,タイトルにもあるように大脳機能局在の立場から概観したものである。
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