Japanese
English
特集 神経疾患の疫学
脳腫瘍の疫学
Epidemiology of brain tumors
高倉 公朋
1
,
寺本 明
1
,
中村 治
1
,
間中 信也
1
Kintomo Takakura
1
,
Akira Teramoto
1
,
Osamu Nakamura
1
,
Shinya Manaka
1
1東京大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, University of Tokyo
pp.465-472
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204936
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.はじめに
脳腫瘍の発生原因として,古くから頭部外傷や放射線照射の影響など外部要因について断片的な数々の症例が報告されているが,phacomatosisを主とする遺伝的な内部環境因子についても報告が見られる。他方,実験的発癌に関する研究は,methylcolanthreneにはじまり,各種のvirus,またnitrosourea化合物による脳腫瘍の発生実験などから,今日ひとに見られるあらゆる種類の脳腫瘍を発生させることができるようになり,多くの腕瘍の動物モデルを得ることも一応は可能である。しかし,この動物実験から,ひとの脳腫瘍の発生原因を知ることはできない。ひと脳腫瘍の発生原因を系統的に探る疫学的調査が始められたのはごく近年のことである。わが国でも,昨年より米国と協同して広範囲な疫学調査が開始されたので,この機会に,文献上知られている外部要因,内部環境因子と疫学的調査の問題点についてまとめて記すことにする。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.