書評
—編集 M.A.Samuels 監訳 平山 恵造(千葉大学教授)—神経内科治療マニュアル—診断の要点と治療の実際
荒木 淑郎
1
1宮崎医科大学
pp.420
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204750
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神経内科治療に関する最新 最高の手引書
古くから神経病といえば,一般になおらない病気であるとみなされ,神経病の治療にたずさわることは敬遠され,医学生も神経病の原因究明と臨床へ進むことを躊躇する傾向があつた。神経病が概して難治といわれるにはいくつかの理由をあげることができる。1)神経病には原因不明のものがきわめて多いこと,2)神経細胞は一旦損傷をうけると,再生回復しにくいこと,3)血液脳関門の存在は種々の薬物が神経系に到達するのを妨げていること,などである。
神経病の主症候である運動麻痺や感覚障害の後遺症は日常生活に支障をおこしやすく,また慢性に経過することが多いことから,一般に難治であるという強い印象を与えていることは事実である。
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