Japanese
English
CTスキャン アトラス5
脊椎・脊髄
Spinal canal and spinal cord
益澤 秀明
1
Hideaki Masuzawa
1
1東京大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosugery,Faculty of Medicine University of Tokyo.
pp.1138-1147
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204324
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脊髄病変が全身用CTスキャナーで写る,という報告がときおりみられる。これらは,脊髄空洞症4,16)や脂肪腫7,15)などの低密度性病変,ないし,石灰化の多い髄膜腫15)や造影剤による増強効果enhancementの強い星状膠腫10),血管奇形6)などの高密度性病変であり,大部分の脊髄病変や脊髄自体1)はCTでは写らないのが現状である7,9,15)。最新のCTスキャナーでは.脊髄やクモ膜下腔が写る1,11)とされているが,それも条件の良いときであり,常に診断価値のあるCT画像が得られるものでもない(第1図)。
こうした弱点を克服するために脊髄クモ膜下腔に弱毒性の水溶性造影剤metrizamideを注入してCTを撮る検査法(Computer-assisted myelography5) metrizamideCT myelography14))がDi Chiroら5)によつて開発され,脊髄病変のCT診断に新らたな局面をひらいた。本法によりクモ膜下腔に囲まれた脊髄の輪郭やその変形が観察される。しかし,metrizarnide CT myelographyにも問題がない訳ではない。これでは正常のクモ膜下腔は良く描出されるが,クモ膜下腔閉塞がある場合,その局所ではmetrizamideはほとんど造影されず,診断価値のある画像がなかなか得られない。このときには上下の隣接するレベルでのクモ膜下腔の変形をみることにより,局所の変化をおしはかるしかない(第8,11図)。
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