Japanese
English
総説
神経伝達物質について—臨床神経学との関連で
A review on neurotransmitter in clinical neurology.
金澤 一郎
1
Ichiro Kanazawa
1
1筑波大学臨床医学系神経内科
1Department of Neurology, Faculty of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
pp.1245-1260
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204164
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I.はじめに
本誌1977年2月号に,「中枢神経系の伝達物質」と題する総説が掲載されている。それは,Gluta—mate,GABA,Substance P,など神経伝達物質と考えられる物質ごとに,それぞれの専門家によるトピックスの収録であり,さらにそのような伝達物質がひき起すであろうcyclic nucleotideの調節機構についてもふれられている。これは物質の側からの研究の現状を知るに極めて示唆に富む総説である。ところで,以上のようなむしろ基礎的な立場からではなく,臨床的な立場から神経伝達物質を考えてみよ,という編集部からの依頼を受け,意図的に臨床面を強調してこの総説をまとめることにした。従つて,伝達物質一般についていわば約束事のようなことを述べたあとは,できる限り疾患別に取り上げることにした。このような総説は,あまり例をみないので不十分なものであることをはじめからお詫びしておく。
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