書評
—栗山 欣弥 編—シナプスの構造と機能
島村 宗夫
1
1東京都神経科学総合研究所神経生理学
pp.898
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204120
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本書は1973年9月に京都で行なわれた日米合同セミナー"Strategies for study of synaptic organization:From individual synapse to intact organism"をもとに,それぞれの専門家が総説として書かれ,編集されたものである。
シナプスはSherringtonが命名して以来,神経系の情報伝達部位として,特殊な構造をもち,働きにも特殊な性質があり,シナプスの多くは化学伝達物質によつて行なわれていることが知られている。本書もこの線にそつて,大別して3部からなつている。最初は構造と機能について(内薗耕二,井端泰彦,竹内昭ら,纐纈教三)それぞれの立場から述べられている。第2部は化学伝達物質について全般的問題(反町勝ら),モノアミンニューロン(佐野豊),アセチールコリン(松田友宏ら,葛西道生),GABA (斎藤喜八ら),グリシン(Aprison),伝達物質の生合成(Giacobini),アクトミオシン様物質(Berl),環状ヌクレオチド(西塚泰美,三木直正),メラトニン代謝(出口武夫)など伝達物質ないし,関連物質についてのべられている。これらの物質と軸索輸送の問題(黒川正則),神経終末シナプトゾームの諸性質(栗山欣弥)もまとめられている。
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