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編集後記
大友 英一
pp.900
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204121
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- 文献概要
Parkinson病(Parkinsonism),Horner症候群,Babin—ski反射など神経学の領域には人名がつけられている疾患,病的状態,反射などが極めて多い。
Parkinson病の如く頻度も多く主要な疾患に人名のつけられていることは他の臓器の主要疾患には遥かに少いものである。また病的反射はほとんど人名がついていることも挙げられる。これは記載者のpriorityを尊重しその功績をたたえる精神から来ているものであろうが,反面人名がついているため,解りづらいことも少くない。例えば下部脳神経がいろいろの組合せで冒されるCollet & Sicard's syndrome, Cestari & Chenais’syndrome, Vernet's syndromeなどは覚えるのが大変である。神経系の解剖の複雑さとこの様な人名の氾濫が最近迄神経学は難かしいと敬遠された一つの理由であることは間違いないと思われる。
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