病院長プロフイル・44
東京第一病院長 栗山重信先生
pp.380
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201237
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新しい病院管理のリーダー
国立病院と看板を塗りかえて10年経つた今日でも,界隈の住民から「院軍病院」という愛称で親しまれている東一は,昔に変らぬ堂々たる偉容を戸山ケ原の一角に聳えさせているが,先頃,その主がかわつた。名院長と謳われた坂口初代院長から栗山副院長へと,バトンがうけつがれたのである。坂口前院長は病院造りの名人として天下周知の人であつたが,庶民病院への脱皮からうるさい占領時代を経て,遂に今日の東一を築き上げられた。しかしその蔭には終始よき相談役としての栗山副院長のサポートがあつたことは,知る人ぞ知る。殊に坂口院長晩年の1,2年は完全に一心同体の感が深かつた。坂口・栗山の名コンビは,東大における長年の同僚という誼みが与つていたとはいえ,栗山副院長の重篤な人柄に負う処も多かつたのであろう。その点まことによき女房振りであつた。
御両所の年配はおつかつであるから,今度の交代は年令上の若返りという点では,変りばえはない。しかし肉体年令では新院長の方がずつと若そうに見える。生来病気というものを知らず,その健啖ぶりは既に定評がある。又東一勤務10年間,無欠勤・無遅刻・無休暇というレコードホルダーで,アプレゲールにとつては原爆以上の驚きに値いしよう。副院長時代は通勤は専ら都電の吊革とテク。
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