Japanese
English
姿勢・位置異常アトラス6
尺骨神経麻痺
Ulnar nerve palsy
平山 恵造
1
,
近藤 智善
1
Keizo Hirayama
1
,
Tomoyoshi Kondo
1
1順天堂大学脳神経内科
1Dept. of Neurolggy, Juntendo University, School of Medicine
pp.366-367
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204046
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- Abstract 文献概要
症状とその機序
尺骨神経は腋窩で腕神経叢の内束の枝として生じ,C7〜Th1の線維を受ける。上腕中部まで皮下を走つたのち,内側上腕筋間中隔を貫き上腕骨内側上果の後面,尺骨神経溝に至りcubital tunnel (尺側手根屈筋の起始二頭と骨で造られる孔)を通つて前腕掌側面に達する。さらに前腕の前内側を尺骨動脈とともに深指屈筋の表面を尺側手根屈筋に沿つて下り手関節の高さに達する。尺骨神経は前腕の近位1/3の高さではじめて上記2筋への枝を出し,中1/3の高さで尺骨動脈への枝,下1/3の高さで手背への皮枝を出す。皮枝は,手背尺側半と尺側21/2指の背側(薬指の橈側,中指の尺側は基節のみ)に分布する。
尺骨神経の終末枝は手根関節の高さで手根管の尺側にあるGuyonの腔隙を通つて手掌に達し,深枝と浅枝に分かれる。深枝(筋枝)は,小指球筋(小指外転筋,小指対立筋,短小指屈筋)第3, 4虫様筋,掌側,背側の全骨間筋,短母指屈筋深束,母指内転筋を支配し,浅枝は短掌筋への枝を出した後は知覚枝となり,尺側11/2拍の指,手の掌側面を支配する。
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