Japanese
English
不随意運動アトラス9
ミオキミー
Myokymia
中西 孝雄
1
Takao Nakanishi
1
1筑波大学臨床医学神経内科
1Division of Neurology, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.1283-1285
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203981
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ミオキミー(Myokymie,myokymia)とは,Schultze(1895)1)によって名づけられた比較的稀な不随意運動の一種である。Muskelwogen(μvs:muscle,kvμa:wave)を意味する。この不随意運動は,本来,筋肉の色んな部分がそれぞれ独自に比較的ゆっくりと収縮するために,皮膚表面が波のように動く現象に対してつけられたものである。
写真1,2は,39歳,女(東大,神内-A-5337-'67)で,手術により延髄から頸髄C2にかけて髄内腫瘍があることが確かめられた症例の,舌筋にみられたミオキミーを示したものである。舌が全域にわたって各所でモコモコと,ゆっくり,不規則な不随意運動を繰返していたが,第1図は16mmフィルムで連続撮影したものを拡大したものであり,第2図は舌の不規則な動きがわかるように,舌の輪郭と影の変化を経時的に色を違えて重ね書きしたものである。連続影撮した個々の写真からミオキーを理解することはできないが,重ね書きした第2図から,舌の表面がいかに不規則にモコモコと動いていたかある程度推測できるであろう。
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