ご存知でしょうが
脊髄の血管と循環
大友 英一
pp.548
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203891
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脊髄の血管支配は他の臓器の血管支配に比較すれば極めてユニークであるといえる。その特徴を挙げると,一寸予想つかないような部位からの血管支配を受けており,他の臓器ではみられない確実な二本立の血管支配であること,一般に動脈系は末梢程細くなるものであるが脊髄の動脈系では末梢がより太いことが少なからず認められること,臓器と同じ名前の動脈がその臓器の血流の大部分を文配するのが常であるが脊髄ではそうではないこと,血流の方向も部位により上行性,下行性とまちまちであること,動脈系は極めて複雑でvariationに富むこと,また動脈,静脈を合めてvarix様の拡張,telan—giectasia様変化,蛇行,屈曲を示す場合が少くないことなどである。
脊髄の血管系の概略を述べると,脊髄には前脊髄動脈(1本),後脊髄動脈(2本)の2種類があり,左右の椎骨動脈より分岐して合流し脊髄の前面または後面を下行するものである。後脊髄動脈は2本とされているが必ずしも明確なものではない。
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