書評
—A.J. Friedhoff 編—Catecholamines and Behavior 2—Neuropsychopharmacology
内薗 耕二
1
1東大生理学
pp.470
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203882
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本書はNew York大学Medical centerの精神科の教授Friedhoff博士によつて編集された研究者用,学生用の専門書である。カテコラミンはここ10年近く医学,生物学界の寵児となつているように見える。カテコラミンに関する内外の専門書の数は少くない。北欧の形態学者達によつて中枢神経系内のカテコラミン性神経線維の同定が可能になつてから,この方面の研究に一層拍車がかけられたように思われる。
中枢のカテコラミン性ニューロンは古典的な自律神経性機能を営む外に,学習や記憶,情動,睡眠等のいわゆる行動科学的機能にも深くかかわつていることが次第に明らかにされつつある。その他,カテコラミン系は精神活動や身体活動にも深く関係していることが知られるようになり,今日では体性神経系と自律神経系に明確な一線を画することは不可能のようにさえ見える。
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