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短報
アレビアチンの代謝産物5-(p-hydroxyphenyl)-5-phenyl hydantoinのガスクロによる定量法
Quantitative assay of 5-(p-hydroxy phenyl)-5-phenylhydantoin as a metabolite of dilantine by gas-chromatography
渡辺 美智子
1
,
有馬 正高
1
Michiko Watanabe
1
,
Masataka Arima
1
1鳥取大学脳神経小児科
1Division of Child Neurology Tottori University School of Medicine
pp.112-114
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203654
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I.はじめに
てんかん患者を抗てんかん剤で治療する際に,同一の投与量を用いても血中の濃度にはかなりの個体差があり,したがつて,臨床効果や中毒のみられる投与量にも個体差がある。このような理山から,特に難治例については,定期的に,抗てんかん剤の血中レベルを測定して投与量や種類を調節することが次策に普及しつつある。同一投与量でもその血中レベルに個体差のみられる理由には,吸収と排泄の両面があるが,薬物代謝の速度の個体差が大きな因子である。もつとも頻用されるdiphe—nylhydantoin (DPH)においては,5-(p-hydroxy phe—nyl)-5-phenylhydantoin (HPPH)として尿中にでる率がもつとも高く,その測定は代謝の状態を推定するのに有用な方法である。わが国でも,抗てんかん剤,特にDPHやphenobarbitalの血中レベルについての報告が散見されるようになつたが,代謝産物の測定も今後必要になろう。本稿において,筆者らの行なつたHPPHの測定方法を具体的に示し,参考に供することにしたい。
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