症候群・徴候・17
Marinesco-Sjögren症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.653
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203564
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Marinesco, Draganesco et Vasiliu(ルーマニア)により1家族4同胞にみられた先天性白内障と身体・神経・精神発達停滞を特徴とする疾患が注目され,報告された(1931,仏文)。一方,Sjögren (スウェーデン)は先天性白内障と精神薄弱を合併する中に小脳性運動失調を呈するものを見出し,神経症状,遺伝性について更に詳しく記載し,Marinescoらの例と極めて似ているとして報告した(1947,1950英文)。Franceschettiら(1956)はこれにMarinesco—Sjögren症候群と命名し,単に白内障・精神簿弱の合併をSjögren症候群として残すことを提唱した。これに対し,Mac Gillivray (米,1957)はMarinesco-Garland症候群の名称をとり上げたが,Garland (米,1953)の報告がアメリカの中でも最初のものではない。
本症の特徴は白内障,精神薄弱,小脳性運動失調とされているが,株儒も無視し得ない。先天性の白内障と精神薄弱との合併(Sjögren症候群)は少なからずみられる合併であるが,これに他のいろいろな異常が合併することがあり,Marinesco—Sjögren症候群はその一つとみることができる。白内障はMarinescoらの4例が全て2歳台で気づかれているように,早く,かつはじめに気づかれる症状であることが多い。
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