ご存知でしょうが
頭痛
喜多村 孝一
1
1東京女子医大
pp.48
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203475
- 有料閲覧
- 文献概要
脳神経外科を訪ねる患者の大部分のものは症状の一つとして頭痛を訴える。したがつて脳神経外科医は頭痛という症状には強い免疫をもつており,一寸やそつとの頭痛には目もくれない.くも膜下出血や頭蓋内圧亢進の著しい脳腫瘍の場合の頭痛でもない限りはあまり興味がないようである。頭部外傷後遺症の患者が訴える慢性の頭痛にいたつては,目もくれないだけでなく,医者の方が逃げ腰である。
これはひとり脳神経外科医のみのことではない。内科でも,頭痛の背景となる疾患にはいろいろと関心がもたれ精細に検索されるが,頭痛そのものには興味が持たれず,そこらの鎮痛剤を与えてお茶をにごすのが一般のようである。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.