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編集後記
佐野 圭司
pp.1101
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203176
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- 文献概要
この6月23日,24日とハンブルクでそこの大学附属病院のひとつであるAllgemein Krankenhaus Altonaの脳神経外科の新装改築を祝つてInternationales Sympo—sionがひらかれた。この病院は最近いずれも改築あるいは新築されたボン大学附属病院,ベルリン自由大学のKlinikum Steglitz,ハンノーヴァーのMedizinsche Ho—chschuleなどとともに西独いや世界におけるもつとも近代的な設備をそなえた病院といえる。ドイツ医学復興の声が聞かれて久しいが,少くも病院やその設備の立派さではドイツはすでに米国を抜きかかつているともいえる。
Allgemein Krankenhaus Altonaはドイツ脳神経外科の創始者と見なされているFedor Krause (1857—1937)の名と密に結びつけられている。Krauseの有名な三叉神経痛に関する業績は1892年から1900年までの8年間かれがここではたらいていた時期になされたものである。その後のかれはベルリンにうつつて一般外科とならんで脳神経外科の分野をも発展させて行つた。われわれの知つているKrauseの写真はすでに晩年になつてからのもので白髪の温和な老人であるが,Altona時代の写真では髪は黒々としており,当時の流行のカイゼルひげをはやしている。ただし眼だけはかれのあたたかい人柄をしのばせるようである。
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