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編集後記
佐野 圭司
pp.1459
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202834
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- 文献概要
この8月末から10月初めにかけて欧州で脳神経外科に関係する学会が5つつづけてあり,しかもその最初の精神外科学会と最後のドイツ脳神経外科学会にはどうしても出席しなければならない義理があつたので,40日あまり欧州に滞在するはめになつた。
欧州でだれでも気がつくことは大きなクリニックが多いということである。脳神経外科の病床数を例にとればもつとも小さいところで80,大きいのは200というのがある。たとえばリオン大学にはHôpital neurologiqueというのがあり,500床をもつているが,そのうち300床は神経内科,200床が脳神経外科である。したがつて手術の数も非常に多く,連日脳腫瘍や脳動脈瘤などのmajor surgeryが3-4はある。ここで訓練される助手やinterne (インターンではない。フランスの医学教育は選抜試験につぐ選抜試験であるが,その最後にのこつたエリート)は豊富な臨床経験をもつことであろうと思われる。これらの病院からの症例報告の例数が多いのは当然である。わが国の多くの病院のように20-40の病床数では国際的な舞台ではとても太刀打ちできないであろう。
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